AIに文章を校正させるとき、勝手に書き換えられないようにする
「直して」と頼むと文章ごと別物になります。原文を保ったまま指摘だけ出させる頼み方と、直すべきでない指摘の見分け方を書きます。
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自分で書いた文章をAIに「校正して」と渡すと、返ってくるのは校正ではなく別人が書いた文章です。
誤字が直っているのはいいとして、言い回しが全部きれいに整えられ、自分の癖が消えている。読み返すと、悪くはないが自分の文章ではない。
これは頼み方の問題です。
「直して」ではなく「指摘して」
いちばん効く変更がこれです。書き換えさせず、指摘だけ出させる。
次の文章を校正してください。ただし本文は書き換えず、問題箇所を一覧で指摘してください。形式は「該当箇所 / 種類 / なぜ問題か」の3列。文体や言い回しの好みについては指摘しないでください。
最後の一文が要点です。これがないと、誤りではない部分まで「もっと自然な表現」として並べてきます。
指摘だけ受け取れば、直すかどうかを自分で決められる。校正の目的は文章をきれいにすることではなく、間違いをなくすことです。
何を指摘させるか
一度に全部やらせると精度が落ちます。目的を絞って複数回に分けるほうが結果がいい。
誤字脱字と変換ミス。 これは機械的に見つかります。人間が最も見落とす種類でもあるので、最初に通す価値がある。
事実関係の矛盾。 「前半で3つと書いて、後半で4つ挙げている」のような不整合。長い文章ほど自分では気づけません。
主語と述語のねじれ。 書いているときは意識が飛んでいて、読み返しても気づきにくい部分です。
曖昧な指示語。 「これ」「それ」が何を指すか分からない箇所。読者が詰まる場所です。
分けて頼むと、それぞれの精度が上がります。「誤字だけ探して」と言えば、誤字だけを見ます。
直さなくていい指摘
AIの指摘には、直すべきでないものが混ざります。見分ける基準を持っておくと迷いません。
「〜という表現は冗長です」 — 冗長さは意図的な場合があります。強調のための繰り返しを削ると、平坦になる。
「箇条書きにするとわかりやすくなります」 — 説明を箇条書きに分解すると、文と文のつながりが消えます。並列の情報でないなら、文章のままのほうがいい。
「専門用語に説明を加えましょう」 — 読者が誰かによります。全部に説明を付けると、分かっている人には冗長になる。
「もっと丁寧な表現に」 — 丁寧すぎる文章は距離を感じさせます。
これらは好みの問題であって、間違いではありません。指摘されても直す義務はない。
逆に、素直に直すべきもの
事実の誤り。数字の不一致。誤字。主述のねじれ。同じことを2回書いている箇所。
これらは直します。議論の余地がない。
判断が要らないものを機械に任せて、判断が要るものは自分でやる。 校正に限らず、AIの使い方の基本はここに戻ってきます。
読者の視点で読ませる使い方
校正とは別に、有効な頼み方があります。
この文章を読んだ読者が、疑問に思いそうな点を挙げてください。答えられていない箇所を指摘してください。
これは書き手には見えない部分です。自分が知っていることは、書かなくても伝わる気がしてしまう。説明を飛ばした箇所を見つけるのに向いています。
似た使い方で、「この文章で、いちばん弱い段落はどれか」と聞くのも効きます。自分でも薄いと感じていた部分が指摘されると、直す踏ん切りがつく。
ツールによる違い
長い文章をまとめて扱うならClaudeが扱いやすい印象があります。数千字を渡しても、後半の指摘が雑にならない。
短い文章を何度も往復させるならChatGPTのテンポが合います。1段落ずつ詰めていく使い方に向いています。
どちらでも校正はできるので、すでに契約しているほうを使えば十分です。この用途のために新しく契約する必要はありません。
最後は自分で読む
指摘を反映した後、必ず頭から通しで読んでください。
指摘を1つずつ直していくと、局所的には正しいのに全体の流れが壊れることがあります。段落の順番が変になったり、削った箇所のせいで話が飛んだり。
通しで読むのは5分で済みます。この5分を省くと、細部は正しいのに読みにくい文章が出来上がります。
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