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営業資料づくりをAIで短縮する — 任せる工程と、自分で決める工程

提案資料の制作時間を減らすために、構成案の生成からデザイン整形までをどう分担するか。AIに任せて品質が落ちない工程と、落ちる工程を分けて整理しました。

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営業資料は「作るのに時間がかかるわりに、使い回しが効かない」という厄介な仕事です。相手が変わるたびに中身を組み替える必要があるからです。

AIで短縮できるのは、この作業の全部ではなく一部です。どこを任せるとどれだけ減るのか、工程ごとに分けて考えます。

資料づくりを4工程に分ける

  1. 要件の整理 — 誰に、何を、どう決めてほしいのか
  2. 構成の設計 — どの順番で、何ページで話すか
  3. 本文の執筆 — 各ページに何を書くか
  4. デザインの整形 — 見た目を整える

このうち、AIで大きく時間が減るのは 2と4、部分的に減るのが 3、ほぼ減らないのが 1 です。

工程1: 要件の整理 — ここは減りません

「誰に出すのか」「相手が何を決めたいのか」「決裁者は誰か」。これは相手の事情なので、AIは知りません。

ここを飛ばして構成生成に入ると、きれいだが刺さらない資料ができます。実際、資料が作り直しになる原因のほとんどはこの工程の不足です。

最低限、次の3つは自分の言葉で書き出してから先に進んでください。

  • 相手が今困っていること(推測でもいい)
  • この資料を読んだ後に相手にしてほしい行動
  • 相手が反対しそうな点

この3行があるかないかで、以降の工程の質が変わります。

工程2: 構成の設計 — ここが最も減ります

工程1の3行をChatGPTClaudeに渡して、構成案を出させます。

指示のコツは、枚数と持ち時間を必ず指定することです。指定しないと、実際には話しきれない分量の構成が返ってきます。

15分の商談で使う提案資料の構成を、8ページ以内で作ってください。相手は〜で、困っているのは〜、決めてほしいのは〜です。反対されそうなのは〜なので、そこに答えるページを含めてください。

出てきた構成をそのまま使うのではなく、順番だけ自分で見直すのが要点です。AIは論理的な順番を出しますが、商談では「相手が聞きたい順」が優先されます。多くの場合、結論と価格を後ろに置きすぎています。

工程3: 本文の執筆 — 半分だけ減ります

各ページの文言はAIで下書きできます。ただし、自社の実績・価格・納期・体制はAIが知らないので、そこは自分で埋めます。

つまり減るのは「言い回しを考える時間」であって、「中身を用意する時間」ではありません。ここを誤解すると期待外れになります。

自社の情報をNotionなどに整理して蓄積しておくと、この工程が繰り返し楽になります。AIに毎回同じ説明をしなくて済むからです。

数字を扱うときは注意してください。AIが出した数値をそのまま資料に載せない。 提案書に誤った数字が載ると、信用の問題になります。

工程4: デザインの整形 — 道具を変えると減ります

構成と本文が決まっていれば、体裁を整えるだけです。Canvaのようなテンプレートベースのツールを使うと、デザインの素養がなくても一定の見た目になります。

ここで時間を溶かしがちなのが、フォントや色を都度選ぶことです。一度テンプレートを決めたら、以降は迷わない。これだけで毎回15分は変わります。

実際の時短の見込み

工程ごとの傾向をまとめます。数字は目安で、資料の性質や慣れによって変わります。

工程AIの効き方
要件の整理ほぼ変わらない。ここは自分で考える
構成の設計大きく減る。白紙から考える時間がなくなる
本文の執筆半分程度。言い回しは減るが中身の準備は残る
デザイン整形大きく減る。テンプレート固定の効果が大きい

「白紙を埋める時間」が消えるのが本質で、「考える時間」は残ります。

気をつけること

  • 社外の情報を入力する前に、勤務先の規程を確認してください。 提案資料には顧客名や価格が含まれます。個人契約のAIサービスに入れてよいかは、会社の判断です。
  • 生成した図版を使う場合、そのツールの商用利用条件を確認してください。プランによって条件が異なります。
  • 相手企業のロゴを勝手に生成・加工しない。商標の問題があります。

どこから手を付けるか

構成の設計から入ってください。ここがいちばん減ります。白紙から考える時間がなくなるのが、この工程にAIを入れる本体価値です。

ただし、その前に「相手が困っていること」「してほしい行動」「反対されそうな点」の3行を自分で書く。この3行がないまま構成を生成させると、きれいだが刺さらない資料になります。資料が作り直しになる原因のほとんどがここです。

自社の数字はAIに書かせない。提案書に誤った数字が載ると、時間の節約どころの話ではなくなります。

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