収入源を分散させるべきかは、コストと天秤にかける
1社依存は危ういが、分散にも手間がかかります。増やす前に確認することと、あえて集中させる判断について。
PR: この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。リンク経由で商品・サービスが購入された場合、運営者が紹介料を受け取ることがあります。順位や評価は紹介料の有無によって操作していません。
収入の8割を1社から得ている状態は危うい、とよく言われます。実際そのとおりです。
ただ、分散にはコストがかかります。 そこを言わずに「複数持つべき」と勧める話は、片面しか見ていない。
1社依存の何が危ういか
その1社の事情で、収入がゼロになる可能性があることです。
担当者の異動。予算の削減。事業の方針転換。相手に悪意がなくても起きます。こちらの仕事の質とは無関係に、いきなり終わる。
もう一つ、交渉力が失われます。 条件が悪くなっても飲まざるを得ない。断ったら収入が消えるので、実質的に断れません。この状態は、単価が上がらない原因にもなります。
分散のコスト
一方で、取引先が増えると次の負担が発生します。
やり取りの手間。 相手ごとに連絡ツールが違い、進め方が違い、請求のルールが違う。1社あたりの管理コストは、案件の大小にあまり関係なく発生します。
切り替えの負担。 複数の案件を並行すると、頭の切り替えに時間を取られます。1日に3社分の作業をすると、それぞれの前提を思い出す時間が積み上がる。
単価が下がる可能性。 継続案件は関係が深まるほど効率が上がります。新規は毎回ゼロから。分散すると、この効率の蓄積が薄まります。
つまり分散は保険であって、効率を上げるものではありません。 保険料を払っている、という理解が正しい。
判断の基準
私が使っている目安は、1社が売上の何割かです。
5割を超えていたら、意識して次を探す。8割を超えていたら、優先度を上げて動く。この2つの閾値だけ持っておけば、日常的に悩まなくて済みます。
そのうえで、依存度が高くても許容する条件があります。
契約期間が定まっていて、当面は途切れない見込みがある。相手が複数の部署にまたがっていて、1人の担当者に依存していない。仮に終わっても、同じスキルで別の相手を見つけられる見込みがある。
この3つが揃っているなら、集中していても大きな問題にはなりにくい。
増やす順番
いきなり取引先を3社増やすのは無理があります。段階を踏みます。
まず、いまの相手の中で窓口を増やす。 同じ会社の別部署、別の担当者。これは新規開拓より圧倒的に楽で、リスクの分散にもなります。担当者1人に依存している状態は、実は1社依存より脆い。
次に、同じスキルで受けられる相手を1社だけ増やす。 複数を同時に狙うと、どれも中途半端になります。
クラウドワークスやランサーズ、ココナラのようなプラットフォームは、この「1社だけ増やす」段階で使いやすい。営業活動をせずに接点が作れます。
収入の種類を分けるという考え方
取引先を増やすのとは別に、収入の性質を分けるという方法もあります。
受託の仕事は、時間を売っています。これに加えて、時間と切り離された収入を少しずつ作る。自分のサービス、コンテンツ、既存の成果物の再利用。
これは立ち上がりが遅く、すぐには効きません。ただし、受託が止まったときの支えになります。
受託で現金を作りながら、並行して育てる。 順番を逆にすると、収入がないまま消耗します。
無理に増やさない判断
分散が正解とは限りません。
いま集中している相手との関係が良好で、単価も納得できていて、当面続く見込みがあるなら、その関係を深めるほうが総額は大きくなることがあります。
分散は、あくまでリスクへの備えです。備えにかけるコストが、リスクの大きさに見合っているかを考える。全部の卵を1つの籠に入れるなという言葉は正しいが、籠を増やすと籠の管理に手間がかかる。
収入や案件の状況は個人により大きく異なります。本記事は一般的な考え方の整理であり、特定の成果を保証するものではありません。
本記事は公開時点で確認できる公開情報をもとに構成しています。料金・仕様は変更される場合があるため、契約前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。